<CBP Global Entry Program>
苦労して優先入国カードを手に入れたのだけど…

12/17/2020

指紋が読み取れない?特別室の常連に…
今から5~6年ほど前、カナダ経由でヨーロッパに行った。ヨーロッパからアメリカへ帰国する際は、カナダでアメリカ入国手続きをすることになる。
ヨーロッパから定刻でカナダ(モントリオール)に到着し、乗り継ぎ時間が3時間近くあったにもかかわらず私はロス便に乗り遅れそうになった…。
というのも、入国審査で指紋が薄くて読み取れないという理由でパスポートと永住権を取り上げられ特別室に連れて行かれたからだ。
特別室にはすでに数十人がいて、順番に呼ばれ一人ひとり書類をチェックされている状況。なかなか名前を呼ばれず、「このままではロス便に乗り遅れてしまう!」という不安がよぎった。隣で待っている人は、すでに乗り遅れてしまったと嘆いている…
「乗り継ぎ便に乗り遅れたらどうするの?」と係官と聞くと「航空会社の窓口に行けば何とかしてくれるよ!」という無責任な回答。もう出発まで20分を切っている…どうしよう!とかなり焦り始めたころ、ようやく名前が呼ばれた。
窓口では特に質問もなく無事にパスポートと永住権が戻された。特別室を飛び出し、心臓が破裂しちゃうかも…というくらい猛ダッシュで飛行機に飛び乗ったところでドアが閉まった!というか、実際は出発が10分遅れたおかげで辛うじて間に合ったという状況だった。
それ以来、ヨーロッパに行く時は、カナダ経由ではなく、ヨーロッパの都市経由で入国し、帰国の際もヨーロッパの都市で乗り継ぎ、再入国検査は必ずロサンゼルス(LA)でするようにしよう!と強く誓った

このカナダでのトラブル後から5~6年、指紋が読み取れない確率!なんと95%!ほぼ毎回特別室にエスコートされるようになった…。
検査官は指に水をかけてくれたり、飛行中ハンドクリームを塗るようにとか親切なアドバイスをくれたが…結局何をやってもダメ。原因は、長時間のフライトで脱水症のようになってしまい、どうしても指紋が薄くなってしまうようなのだ。
長時間のフライトで疲れており、早く帰宅したいところだが、ここはLA。乗り継ぎ便の心配はないから気は楽だ。そんなことで特別室にエスコートされるのもすっかり慣れっこになってしまった。

グローバリーエントリープログラム(通称GE)ってご存知ですか?
そんな話を友人にしたところ『CBP Global Entry Program/グローバリーエントリープログラム(通称GE)』というシステムを教えてもらった。
これは、アメリカ市民、永住権保持者に限って申請できるアメリカ合衆国CBP(税関・国境警備局)のTRUSTED TRAVELER制度のプログラムで、これに登録して承認されると、優先レーンにて入国審査をスピーディに行えるという。
毎回、指紋照合ができず審査でひっかかってしまう私には好都合!と思い申請することにした。

【申請から取得まで】
申請はオンライン。登録費用はUS$100で有効期限は申請してから5年間(5年ごとに再申請)。登録後数日経つと、登録受理・仮承認という連絡がE-mailで届く。過去に入国時にトラブルがあったり犯罪歴がない場合は、ほとんど承認されます。

次は国際空港内の登録センターでの面接の予約。

私がオンライン登録したのは今年5月。面接は登録後1年以内に完了しなければならない。ところが最寄りのロサンゼルス空港の予約受付は出来なくなっていて(コロナのせいか、それとも予約がいっぱいだったのかは不明)直近で可能な場所はサンディエゴで10月21日の朝8:45だった。
サンディエゴまでは車で約2.5時間だし、その頃にはコロナも落ち着いているだろうから、気分転換の旅行がてら一日早く行って前泊すれば良いかと思い、サンディエゴの面接会場を予約。

ところが、10月になってもコロナは落ち着くどころか、感染者数も増え続けている…。「予定通り面接できるの?」と心配になり、関係機関に連絡したところ、面接は予定通り行うという。面接会場近くのホテルも予約しているし、行くしかないか~。

面接日1週間前…面接場所って!?
さて、面接1週間前、面接会場の住所を確認したところ「Oh My God!!」
面接会場は、サンディエゴ空港だと思い込んでいたのだが、住所をよくよく見たら「Otay Mesa」と書いてあり、サンディエゴのダウンタウンからさらにフリーウェイで30分!メキシコ・ティファナとの国境沿いの街。ここ、ほとんどメキシコじゃない!しかもティファナは治安がよくないと有名だ。さすがにこの辺のホテルには泊まるのは不安…ということで、面接会場近くに予約していたホテルをキャンセルし、サンディエゴのダウンタウンのホテルに変更。面接日は早く起きなければならないけど、仕方ないか…

面接日前日…下見は大事
面接日前日、特に予定がないというので、息子も連れて行くことにした。サンディエゴも久しぶりだったし、コロナで出張も旅行もキャンセルで、ほとんど閉じこもり生活だったから、親子でリフレッシュ旅行みたいな気分で出発。
とはいえ、面接会場周辺はちょっと物騒な土地柄なので、まずは会場を下見に行くことに。
2日前、登録センターから送られてきた注意事項には、GPSはあてにせず、このディレクションに従うことと書かれており、Siempre Viva Rd. (last USA Exit) (スペイン語で、いつも元気な道路という意味)というアメリカとメキシコ国境近くのアメリカ最後のフリーウェイ出口で降りなさいとの指示があった。確かに途中からGPS は繋がらなくなった。

目的地はフリーウェイを降りたらすぐだったが、途中から車両通行止めのサインが!
「どういうこと…?」
そこで、工事現場のおじさんに尋ねたところ「登録センターはあそこだけど、ここから先は車で入ることはできないよ。公共駐車場に駐車してから歩いて行きなさい。」と言われた。

もうこの辺一帯はすでにメキシコみたいな感じで、スペイン語しか聞こえないし、駐車場のサインも全部スペイン語!車を置いて歩いて行くには不安もあったが、仕方がない。 幸い、特に怖い思をすることなく、徒歩5分ほどで会場である登録センターを確認。
Global Entry (登録センター)からの注意書きには、会場は陸橋の南側と書いてあったので「陸橋を渡るのかな?」と迷ったため、道行く人に聞いたら、ニヤリと笑いながら、「メキシコに行きたいのか?この陸橋を渡ったらメキシコだから僕についてきな。」と言われた。ひぇ〜危ない危ない。

無事、登録センター(面接会場)を確認できたので、その日はサンディエゴの休日を堪能することができました。

面接日当日…下見したのになぁ
翌朝、登録センター内には当事者しか入れないため、息子をサンディエゴに残し、面接時間の30分前には到着するように余裕を持って出発。
昨日下見したので余裕、余裕!なんて思いながらSiempre Viva Rdを降りて、右折。
でも右折したらすぐに見えるはずのガソリンスタンドとスターバックスが…どこまで行ってもない!!
「間違えて降りちゃったのかな?」と思ったが、走っている道にはSiempre Viva Rdのサインがある。「でも、これは絶対おかしい…」とUターンをしたが、GPSも使えないし、焦っているし、方向音痴の私にはお手上げ状態…。同じ道を行ったり来たりを繰り返して、面接時間は迫るばかり!
仕方なく、コンビニ兼ガソリンスタンドのおじさんに「Global Entryってどこですか?」と聞いたのだが、よくわからない様子。「ガソリンスタンドとスターバックスがあるはずなんだけど…」と説明したら、やっと理解してくれたらしく、「道の反対側だよ。少し戻ったらスタバがあるから。」と教えてくれた。言われた通り戻ったら、確かに昨日見た景色だった。
何とか面接時間にも間に合い、面接も無事にパスしたので、とりあえずホッとしてサンディエゴに戻った。

「でも、昨日はすんなり来られたのに、何で今日はダメだったのだろう?」と不思議に思い、昨日ナビをしてくれた息子に聞いたら、Siempre Viva Rd EAST で降りなければならないのに、どうやら私は一歩手前の Siempre Viva Rd WEST で降りてしまったようだ。
標識にアメリカ最後のフリーウェイ出口と書いてあった気がするのだが、それは次の出口のEASTのことだったのかもしれない。「この出口を通りすぎたら、メキシコに行ってしまう!!」と早とちりをして一歩手前のウエストで降りてしまったのだろう…
わざわざ前日に下見したのに、私ったらマヌケ以外の何者でもない(涙)
まあ、面接も無事に終了したし、良しとしよう!
そして、1週間後、登録カードも無事に届きました!!(めでたし、めでたし~)

でも結局…
ところで、私がこのグローバルエントリーカードを取得したかった理由は、指紋照合がうまくできなくても、速やかに入国できる!と思ったため。
ところが、面接官曰く、自動キオスクにて機械読み取り式パスポート、米国ビザ米国永住権カードを端末にスキャンし、指紋照合を行った後、税関申告を行うことで入国可能になるとのこと。
「何だ、結局、指紋照合があるじゃない!」とがっかり。
どうやらこれからもロス入国時の特別室との縁は切れそうにないのである…(トホホ…)

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