これでいいのか!?アメリカ人の食生活

不健康なアメリカの大学生

先日、気になる記事を見かけた。

ニューハンプシャー大学の800人の学生を検査した結果、アメリカの大学生は糖尿病などの成人病になる可能性が高いというのだ。

●  コレステロール値が高い。
●  骨密度が低い。
●  男子学生の60%が高血圧。
●  女子学生の2/3が、カルシウム、鉄分、葉酸不足。
●  全学生の1/3以上が肥満。

など、多くの学生が、すでに深刻な健康問題を抱えているという。

以前、セントルイスのワシントン大学の学生に行った調査でも、入学から1年間で70%の学生の体重が増加していたという結果がでており、以前から、大学生の健康状態が懸念されていた。

これらの調査結果を受けて、アメリカの栄養協会のスポークスマンはこう語っている。

「最近の傾向をみると、学生たちは勉強に忙しく、自分がどんな不健康な食生活をしているのかに気がついていない。宿題を終わらせることに追われており、忙しすぎて健康を考える余裕がないのである。」 

しかし、本当に勉強が忙しいだけが、理由でしょうか…?!

一日三食は非常識?!

私の子供が小さい頃、アメリカ人家庭に朝から遊びに行き、午後3時に帰ってきた。「何を食べたの?」と聞けば「何も食べてない」という。最初は、意地悪でもされたのか?と驚いたが、アメリカで暮らすうちに、お昼時にきちんとランチを食べるという習慣がない家庭が多いという事を知った。

ディナーにしても、子供がアメリカ人宅にお泊りした時の話を聞くと、スーパーで買ってきた箱入り食品を電子レンジでチンするだけの、即席TVディナー(私は食べた事がないので、味やメニューを詳しくは知らないが、作る手間もなく、テレビを見ながら食べられるため、TVディナーといわれているようだ)だったり、クラッカーとチーズとサラミだけとか、ファーストフード店に連れて行かれたとか、手料理といっても、出来合いの丸いミンチ肉を焼いてパンではさんだハンバーガーやホットドック、ゆでたスパゲッティにガーリックオイルをまぜただけのパスタを一品だけ、など。これが、どうやらアメリカ人の一般的なディナーのようなのだ。

イタリア系アメメリカ人などは、ディナーをしっかりとるという話も聞くので、全ての家庭がそうではないとは思うのだが…。私の周りにも「私は家で一切料理をしないの」と平気で話す主婦も多く、やはり、日本人なら常識の「一日三食」という習慣がない家庭が多いようだ

子供の頃から、こういう食生活が当たり前ならば、大学に入る頃に、すでに何らかの健康問題を抱えてしまうのも頷ける。私の子供達も中学に入った頃から「ランチはいらない!」と言うようになった。「みんな食べないから」というのだ。食べるといっても、カフェテリアでピザを一切れだけとか、ポテトチップスがランチがわりだというのだ。育ち盛りの子を持つ母親としては、無理やりにでもサンドイッチなどのランチを持たせるが、実際のところ本当に食べているかどうかはわからない。

食べたことがない&食べられない

子供の友達が夕食時までいる時、カルボナーラやたらこスパゲティ、チャーハンなど一般的に子供が好きそうな料理を作ると、子供達の反応はだいたい二通りに分かれる。「今まで食べたことがない!美味しい!」と言って食べてくれる子と、あまり食べない子。食べない子は、見たことがない&食べたことがない料理だから、と食が進まない子もいれば、毎日きちんとディナーを食べる習慣がないから、お腹がすいていない、という子もいる。

また、アメリカは、日本に比べるとベジタリアンが多い。宗教上というだけでなく、動物を食べるなんて!という考えの人、肉食が身体に合わない、などが主な理由のようだが、中には子供時代に栄養バランスのよい食事で育てられなかったために、ベジタリアンになってしまった人もいるかもしれない。

このように、食べたことがない、食べられないなど、食生活に偏りがあるアメリカ人は多い。私は「バランスのよい食事こそ、健康な身体と精神をつくる!」と考えているので、積極的な食生活の改善で、肥満などの健康問題だけでなく、犯罪も減少するのではないかと思っている

そういえば、上智大学に在学中、観光学の講義で「箱根のフジヤホテルにフルコース(当時7,000円)を食べに行くと、Aがもらえる」という授業があった。「人間はラーメンからフルコースまで、いろいろなものを味わえるようにならなければダメ。カレーばかり食べていると、カレーレベルの人間にしかなれない。毎日いいものばかりを食べろというわけではない。その場に応じて、いろいろな食事を満喫できる感性を身につけてほしい」と教授が学生たちに熱弁していた。

これから親になっていく、アメリカ人学生にも「ハンバーガーからフルコースまで」、規則正しくバランスのとれた食事を楽しむという習慣を身につけて欲しいものだ。