|American Access アメリカンアクセス社|

■「アメリカならでは!?予期せぬビジネストラブル」

今年の6月で、私のアメリカ生活が22年目に突入しました。
夢や希望を胸に、この地に降り立ってから、あっという間の21年…。
アメリカの素晴らしいところ、そして未だに(!?)と思うところ、それぞれたくさんありますが、今回は私が体験した日米の慣習やシステムの違いにより生じたビジネス上のトラブルについてお話したいと思います。

確認!確認!確認!それでも、あり得ない問題が発生
アメリカでコンサルティング・コーディネーション会社を立ち上げ、これまで多くの日本のお客様のサポートをさせていただいていますが、アメリカでプロジェクトを成功させるために何より大切なことは「一にも二にも、とにかく、確認!」です。
この確認作業を怠ると、信じられないようなしっぺ返しがあります。
もちろん、当社ではコーディネーションを完璧にこなすため「先方に何度も確認をとり、誰といつどんな内容を話したかをファイルする」ことを徹底していますが、それでも日本のビジネス社会ではあり得ないような問題が起こってしまうのです。

事例1:「白」と言われたけど「黒」でもいいでしょ!?
ある展示会で、日本のお客様から「スポットライトは白で」というご希望を受けたので「白」のスポットライトを主催者指定大手装飾会社にオーダーしました。
ところが、展示会前日にブースをチェックしたら「黒」のスポットライトがかけられていたので急いで現場の担当者を呼んだところ、こんな回答がされたのです。
「確かに、”白”とオーダーされてたわ。だけど現場の人間が間違えて”黒”を取り付けてしまったの。もしかしたら、お客様が ”黒でもいいや” って言ってくれる可能性に期待していたのだけど、やはりダメかしら?このブースなら”黒”でも合うと思うのだけど。それでもダメって言うなら、すぐに付け替えさせるわ」と淡々と答える担当者。
もちろん、私はお客様のオーダー通りに仕上げる義務があるのですぐに付け替えさせましたが、ミスに気付いていたのにもかかわらず、そのままにして相手の反応をみてから行動すればよいという姿勢には呆れてしまいました。
でも、彼女に限らず多くのアメリカ人は「何事も手を抜けるなら、手を抜ける方向で」という考え方のようです。

事例2:決まった担当者がいない…たらいまわしは当たり前
アメリカで開催される大規模な展示会となると、出展者は何百、何千という規模になります。主催者や指定装飾会社側にとって私たち出展者は「one of them」であるため、決まった担当者がつくということはほとんどありません。
そのため、ミスが起こった場合は、巨大組織相手に本当に根気のいる作業をしなければいけなくなるのです。

展示会では備品オーダーの際に早期申込割引制度があるため、通常出展者はこのシステムを利用します。早期申込割引が適用された金額の確認書も受け取り、無事展示会も終了。
ところが、送られてきた領収書には当日申し込みの金額が書かれていました。
明らかに先方のミスのため、差額分の返金を求めたところ「いつオーダーしたのか日にちを教えて」「確認書を再度送って欲しい」と言われ、後日またこの件で連絡しても決まった担当者がいないため、電話に出たスタッフにまたイチから説明しなければいけないのです。
このように、電話で何人にもたらいまわしにされるということが日常的に起こってしまうのです。

事例3:装飾会社側のリスク回避策がこちらのトラブルの原因に
通常、展示会で必要備品を申し込む際には、支払い責任者は出展者(お客様)がなる場合と第三者(私のようなエージェント)がなる場合があります。
ある展示会の申込書の支払い欄には、支払い責任者と出展者のクレジットカード情報を二つ記入しなければならいようになっていました。プロジェクトを請け負っている当社が支払い責任者なので、当社の二つのクレジットカード情報を記入して提出したところ「出展者のカード情報が書かれていないので、受け付けない」と拒否されたのです。
「支払い責任者の情報を記入しているのに、なぜ出展者のカード情報まで教えなければならないのか?」と尋ねたところ「当社のルールであり、ファイル用だけの目的。だから出展者にチャージすることは絶対にない」という。
記入しなければ申し込めないというので、仕方なく出展者に説明し、クレジットカード情報を記入してもらい提出しました。
ところが後日、お客様から「約10万円が引き落とされている」とのご連絡があり、急いでオーダーした会社に連絡したところ「間違えてチャージされたようなので、全額返金します」との回答。特に謝罪はありませんでした。
20日程かかりやっとお客様に返金されたようでしたが、ドルと円の為替損がでており、3,000円程少ないという。当然、またクレームをいれると「では、あといくら返せばいいのか、金額をはっきり教えてほしい」と言われたのです。
この装飾会社は全米でも有名な大手であり、日々海外からの出展者を相手にビジネスをしているはずなのに、為替のこともわかっていないのか…と愕然。
「為替は毎日変わるのではっきり言えないが、今すぐ返金するなら40~44ドルだと思う」と私は答えたのですが、結局返金されたのは15日後(金額は42ドル)でした。
最終的には、損はでず円満に解決することができましたが、お客様には大変なご迷惑をおかけしてしまったのです。
こんなミスが起こってしまうかもしれないのに、なぜ出展者(お客様)のクレジット情報まで記入しなければならないのか?
その理由は、支払い責任者として記入されている第三者(エージェント)の中には、チャージしようとしたら「クレジットカードが使えない」「残高がないので引き落とせない」など、売上を回収できないことがあるからだという。
過去に会社として大きな損害をだしてしまったことがあったので、そのリスクを回避するために出展者(お客様)のクレジット情報も書き入れ、万が一、第三者から引き落とせない場合は、出展者にチャージするというルールをつくったというのです。
一部の悪質なエージェントのためのリスク回避策と説明されましたが、ルールを作った装飾業者側もミスのないよう、きちんと確認してから引き落としを行なうべきではないでしょうか。
事例2でもお話したように、私はこの返金手続きのために、何人にも電話でたらいまわしにされ、何人にも同じ事を説明し、やっとトラブルを解決することができたのです。

このように、アメリカと日本のビジネス社会では、慣習もシステムも全く違うため、日本的な感覚でビジネスをされると多くのトラブルやストレスを抱え込むことになります。
事例1~3でお話したようなトラブルは日常茶飯事。
それらをきちんと解決しながらビジネスを成功に導くには、英語力はもちろん、こちらの慣習や民族性などを理解した上でのオーガニゼーション力、交渉力、コミュニケーション能力など総合的なスキルが必要になってきます。
日本からメールやファックスだけで直接ビジネスをされている方も多いようですが、遠隔操作ではクリアできない壁があることを充分に理解された方がよいと思います。
よりスムーズにビジネスを進めたいのであれば、やはり現地に拠点(代理店や代理人)をおくことをお奨めします。